きみ・・・泉新一君・・・だよね?
ヒロイン村野里美が繰り返す。主人公泉新一の成長を表す重要な名言。
村野里美の『きみ…泉新一君…だよね?』
この村野里美の名言は物語を通して6回登場します。
登場するのは、第2話「野獣」、第3話「接触」、第17話「変貌」、第22話「亀裂」、第28話「平和な日」、最終話「きみ」です。
最終話では少し表現が違いますが、同じテーマを扱っています。
第2話「野獣」、第3話「接触」での『きみ…泉新一君…だよね?』と泉新一の回答
第2話と第3話では、右手に寄生生物が寄生したばかりの泉新一の小さな変化を村野里美(新一の彼女)が感じ取り、新一に問いかける言葉として登場します。
寄生獣第2話「野獣」より引用
『きみ…泉新一君…だよね?』
その時の新一の返答は
第2話「野獣」「な、何言ってんだよ あたりまえだろ」
第3話「接触」「ああ…もちろん」
寄生獣第3話「接触」より引用
新一は、村野里美の鋭さに驚きながらもごまかし取り繕います。
第17話「変貌」での『きみ…泉新一君…だよね?』と泉新一の回答
第17話での新一は母親を殺したパラサイトを倒し、ミギーともかなり混ざった後なので印象はかなり変わっています。
今回の名言は、明らかに変わってしまった新一に対して、試すかのように尋ねる言葉として登場します。
寄生獣第17話「変貌」より引用
『きみ…泉新一君…だよね?』
その返答は、「…さあ どうなのかな…」「や、やだなあァ!おれはおれだよ!」
でした。
はじめは村野里美がそこまで気にするとは思っていなかったので新一は「…さあ どうなのかな…」と返答し、自分の返答にショックを受けている里美に気付き「や、やだなあァ!おれはおれだよ!」と、やや焦りながら取り繕います。
これは、じっさいは以前の自分では無くなっていることを新一が自覚していることを表しています。
「さあ どうなのかな…」
思わず出た新一の自問自答の言葉です。
第22話「亀裂」での『きみ…泉新一君…だよね?』と泉新一の回答
寄生獣第22話「亀裂」より引用
第22話では、あまりにも以前の新一と違うことに村野里美が不安と疑問を新一にぶつけます。
最初は笑いながら誤魔化そうとしますが里美があまりにも問い詰めてくるので、「きみ本当に泉くん…」と問いかけてくるところへ新一は「うるせえな!!」と怒鳴りつけてしまいます。
それに対し里美は「ごめん…人違いでした」と言いながら去っていきます。
自分の変化を自覚し認めながら自分でもどうしようもできないことに苛立ち、そこを問い詰められ思わず叫んでしまった新一ですが、それはさらに自分を苦しめることになります。
第28話「平和な日」での『きみ…泉新一君…だよね?』
寄生獣第28話「平和な日」より引用
第28話では今までのように新一に問いかけるわけではありません。
新一がデートをしたあとに帰っていく後ろ姿を見ながら「きみ…間違いなく泉…新一くんだよね…?」と里美が心の中で問いかけます。
村野里美はデートをしていてもやはり以前とは別人のような新一が、同一人物に感じられないのです。
そのあと涙を流しながら「もっと早くに…もっともっと仲よくなってれば…たったいまも…きみが間違いなく泉くんだってこと…」とつぶやきます。
以前の新一と同一人物なのか…同一人物ならばなぜ変化の理由を教えてくれないのか…
村野里美の苦しみを表す名言として登場しています。
最終話「きみ」での村野里美の「答え」
寄生獣最終話「きみ」より引用
最終話では今までの新一への疑問に対する里美の「答え」が出ます。
もしかしたらこの時の里美は、ミギーを見たのかもしれません。
もしかしたらこの時の里美は、新一の体にパラサイトがいることを知ったのかもしれません。
その上で全てを受け入れる母性あふれる里美の答えが
「知ってるよ…」
「それは新一くん…きみが新一くんだから…」
でした。
最後に以前とは明らかに変わってしまった新一の中に変わらない部分を感じて、やはり新一は新一だ、という確信と、変わってしまったこともすべて受け容れる村野里美の母性が感じられる名言でした。
寄生獣全体を通して使われる『きみ…泉新一君…だよね?』
今回紹介した名言からは主人公泉新一の変化と成長、ヒロイン村野里美の苦しみと母性がうかがえ、最終話ではこの物語を締めくくる素晴らしい名言となっています。