ひょっとしておまえ…鉄でできてるんじゃないのか…:寄生獣
主人公泉新一の父親泉一之が思わず漏らした名言
寄生獣第20話「兆し」より引用
「ひょっとしておまえ…鉄でできてるんじゃないのか…」が使われた背景
妻をパラサイトによって失い憔悴している泉一之。
主人公泉新一の父親である彼は自宅のリビングでウィスキーを飲んでいました。
そこへ新一が顔を出し「暗い部屋で飲んでいると落ち込んでこない?」と声をかけます。
「もう寝るところだ」と飲みながら答える一之。
新一は自分の部屋へ帰ろうとしますが一之が声をかけます。
「おまえ…知らないうちに…いつの間にそんなに強くなった」
『ひょっとしておまえ…鉄でできてるんじゃないのか…』
新一は驚いた顔で一之を見返します。
「すまん」
一之はボトルの蓋を締め、顔を叩き自分を戒めます。
一之と新一の対比
新一の父親である泉一之はフリーの記者でどちらかと言うと息子にも理解があり強い父親として描かれています。
物語前半での妻の信子との会話は面白く、信子はもともとお嬢様で今までも一之がしっかりと支えてきたと察せられるシーンもあります。
そんな強い父親である泉一之も愛する妻である信子を目の前で化け物に殺され、警察にも信じてもらえないという辛い現実に思わず息子に弱音を吐いてしまったのでしょう。
そして自分が妻を亡くしてこれほど辛いのに母親を亡くした息子である新一はすでに悲しみから乗り越えているように見えるのが信じられなかったのだと思われます。
気持ちの切り替えが異常に早くなっている新一が「鉄でできている」ように見えたのでしょう。
この場面は妻の死を引きずっている一之と死を引きずらない新一を上手く対比させているシーンになっています。
一之の名言は亡くしてしまった妻への愛情を感じられる言葉にもなっています。