地球は初めから泣きも笑いもしないからな:寄生獣
人間の身勝手さをあぶり出す名言
寄生獣第62話「朝」より引用
「地球は初めから泣きも笑いもしないからなの背景」
最強のパラサイト後藤を何とか倒した主人公泉新一ですが、復活しそうな後藤を見逃そうとします。
「生きる可能性が五分五分なら…おれが決めるよりも天にまかせる」
「人間の都合ばかり押しつけたくない」
新一はそう言いながらその場を離れようとしています。
ミギーは後藤から離れていく新一に向けてこう言います。
「シンイチ…きみは地球を美しいと思うかい?」
分からないと答えた新一に向けミギーが言った言葉が名言となります。
『私は恥ずかしげもなく「地球のために」と言う人間が嫌いだ…何故なら、地球は初めから泣きも笑いもしないからな。』
「地球のために」という言葉を使う人間は「人間にとっての地球」中心に言っているということでしょう。
地球には「我」がありません。
ですから泣きも笑いもしないですし「人間にとって都合の良い地球のため」と言い直すべきなのです。
地球が美しいのは人間がそう感じるからです。
地球は自分で美しいとは感じないはずです。
環境保護や自然保護活動などは「利他」なのか「利己」なのか
第36話「悪魔の面影」での大学の授業で先生が言っていた言葉です。
「…してみると人間が行なっている環境保護や自然保護活動など、「利他」なのか「利己」なのか考えてみるのも面白いかもしれませんね」
「人間のため」というのは「利己」でしょう。
本当の意味での「地球のため」という「利他的行動」とはあるのでしょうか?
これは難しい問題です。
今回の名言はミギーによる人間の見せかけの「利他」を突く鋭い指摘となっています。