時代を創るのは「刀」ではなく、それを扱う「人」でござる:るろうに剣心
十本刀の一人、刀狩の帳との戦いの中での名言
るろうに剣心第七十七幕「薄刃乃太刀」より引用
以下、ネタバレ要素を含みます。剣心を読んでいない方はご注意ください。
『時代を創るのは「刀」ではなく それを扱う「人」でござる』が使われた背景
「刀狩の帳」は名前の通り刀の収集が趣味で、特に幕末の刀鍛冶新井赤空の殺人奇剣を集めており、赤空の息子、新井青空に最後の刀を渡すように迫りました。
新井青空は、人殺しをする「刀」を嫌い、それをつくっていた父新井赤空も嫌っていました。
帳にしても、青空にしても「刀」しか見ておらず、帳は刀=強さ、青空は刀=人殺しの道具だと考えていました。
しかし、赤空の本当の心を知っている剣心の名言により、青空の考えも変わり、「この人なら刀で人を守ることができる」と考えるようになったのでしょう。
この「逆刃刀・真打」はその後、最後まで剣心と共に戦い、最後まで不殺を続けることになります。
そして、弥彦の元服の時に彼にこの刀と思いが一緒に受けつがれていくことになったのです。
道具は道具でしかない
今ではITも発達し、誰でも簡単に情報の発信者になったり、パソコンで色々なことができるようになりました。
ですが、使う人によって道具は、素晴らしく便利な物にもなりますし、素晴らしく恐ろしい物にもなります。
例えば、放射線も便利な原子力発電にもなりますが、戦争の兵器にもなります。
もっと身近な物でも、車は便利な移動道具ですが、扱い方では大事故を起こせる道具です。
それは使う「人」の考え方、モラルの問題でもあります。
発明は基本、世の中をよくしたい思いからできるもの。
新井赤空も、早く太平の世が来て欲しいその一心で様々な刀を研究し作っていったはずです。
「我を斬り 刃を鍛えて幾星霜 子に恨まれんとも 孫の世の為に」という、子供には恨まれるかもしれないが、後に続く孫の世代の為にも平和の世の到来の為にという、平和の夜を願う辞世の句が彫られていたんですよね。
赤空は剣心の回想に少ししか出てきませんが、この辞世の句の為、人気のあるキャラクターです。