ショパンだ:寄生獣の名言
主人公泉新一を最後まで追い詰めるパラサイト後藤の魅力を表す名言
寄生獣 第38話「敵対」から引用
「ショパンだ」が使われた背景
広川市長の管理するパラサイトのための「食堂」でパラサイトを殺すという敵対行為をしてしまった泉新一。
この新一を始末するという決定をした広川市長にパラサイト三木が「自分がやる」と押し切ります。
広川市長は一抹の不安を感じながらピアノを弾く後藤の元へ訪ねます。
そのピアノのメロディーを聴き広川市長は
「大したもんだな後藤さん モーツァルトかね」
と尋ね
「ショパンだ」
と後藤は返答します。
何気ない会話ですが素晴らしい演出です。
じっさいは人間だったのですが、初見でこのシーンを読んでいる時には広川市長がパラサイトだと誰もが思っています。
そして後藤というパラサイトもまだ五匹共生のパラサイトだとは知らされていません。
パラサイト同士がモーツァルトか?ショパンだ、などと会話しているだけで他のパラサイトとは違う不気味な雰囲気を感じさせます。
しかし、広川市長が人間であり後藤が五匹共生のパラサイトだと知った後では意味が変わってきます。
後藤は訓練のためピアノを弾いているのでありモーツァルトではなくショパンだと答えている辺りにかなりピアノで訓練をしているのだなという印象を感じさせます。
意見が別れるところですが右手の指を動かしながら「何事も慣れだ」と語る後藤は「三木」に言い聞かせているとも取れるシーンです。
ここまで計算されている会話とは素晴らしい名言だと言えます。
アニメ寄生獣での「ショパンだ」
アニメ「寄生獣」でもこのシーンは使われています。
なぜか原作よりも老け顔の後藤がパンツ一丁でピアノを弾き広川市長と原作通りの会話をします。
このピアノのメロディーはその前の泉新一を始末するべきかどうかをパラサイトたちが会議しているシーンからずっと流れており、後藤のピアノシーンで「後藤が弾いているピアノだったのか」と分かるようになっています。
粋な演出ですね。
ちなみにこの後藤が弾いていた曲はショパンの夜想曲第2番 変ホ長調 「ノクターン」です。