かあさんにあやまらなきゃって…:寄生獣

主人公泉新一の耐えられないほどの切ない名言

かあさんにあやまらなきゃ
寄生獣第12話「胸の穴」より引用

「かあさんにあやまらなきゃって」が使われた背景

主人公泉新一は両親が旅行から帰って来ず、心配でたまりません。

前日の夜に、父親から「明日は帰れん」「あの化け物を…」という電話があったままで、どこにいるのかも分からずイライラするだけです。

新一は「あの化け物を…」という父親が残した言葉からパラサイトに襲われたのではないかという不安に駆られます。

その時、新一の母親に寄生したパラサイトが家に侵入します。

ミギーは「ヤツはきみの母親の頭を奪ったんだ」と事実を新一に告げますが、新一は受け入れられませんでした。

母親に寄生したパラサイトの敵意を感じ、ミギ―は臨戦態勢を取りますが、新一には戦う気が起きません。

それでも、戦おうとするミギ―を制して、新一は母親に語りかけます。

「かあさん」
「覚えているよね…その手の火傷…」
「おれ…いつも見るたびに気になって…」
かあさんにあやまらなきゃって…

涙を流しながらの新一の謝罪ですが母親には届きません。

手の火傷はシンイチが小学生の時に沸騰した油が入った鍋を頭からかぶりそうだったところを母が素手で鍋をつかみ助けてもらった時にできたものでした。

母の頭を奪ったパラサイトに言っても届かないと分かっている告白で、懺悔のような新一の謝罪は読者の胸を締め付ける素晴らしい名言になっています。

新一のTシャツ

この時に新一が着ていたTシャツには「ENTRET」と書かれています。

この「ENTRET」の意味は「懇願する」,「嘆願する」(Weblio辞書より)です。

届かない新一の告白はまさに「嘆願する」という言葉がピッタリです。

残念ながらアニメでは無くなっていますが作者岩明均先生の粋な仕掛けです。

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