僕は死なないよ、死なないんだ:ブラックラグーン
ブラックラグーンの中でも後味の悪い名言
ブラックラグーン #14 「Greenback Jane PT.5」より引用
「僕は死なないよ、死なないんだ」が使われた背景
ロアナプラという街に戦争規模のトラブルを引き起こした事件が2つあります。
1つはラブレス家の殺人メイド・ロベルタ。
もう1つが、幼い双子の殺人鬼・ヘンゼルとグレーテルです。
幼いながらに“雇われ殺人鬼”として派遣されたヘンゼルとグレーテル。
しかし彼らにとって「殺し」は「遊び」そのものでした。
元より忠誠心など持ち合わせていなかった彼らはあっさりと雇い主を手にかけ、「そうしたいから」というただそれだけの理由で、ロアナプラの最大勢力ホテル・モスクワのボス、バラライカを標的に変えます。
すでに同胞を2名殺されているバラライカは、街の崩壊も顧みず、容赦なく双子を追い詰めます。
罠にかかったのは、双子の兄。バラライカは狙撃犯に命じ、彼の膝と手をライフルで撃ち抜きます。
失血の具合から命が助からないことを確認して、バラライカは告げます。「結局、お前はどうしようもなく壊れたクソガキのまま、ここで死ぬんだよ」
その言葉を聞いて、双子の兄は笑います。
「僕は死なないよ、死なないんだ。こんなにも人を殺してきたんだ。いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい殺してきてる。僕らはそれだけ生きることができるのよ。命を、命を増やせるの。私たちは永遠(ネバーダイ)さ。そう永遠(ネバーダイ)なのよ」
「僕は死なないよ、死なないんだ」の意味
この名言だけを見ても意味はよくわからないでしょう。
なんで、人を殺したことと自分が死なないことが結びつくのでしょうか?
それは作中にも有りますが、双子はチャイルドポルノに出演させられ、その後、人殺しの手伝いをさせられます。
殺しの相手は、一緒に身売りされた子供たちです。共につらい状況の中を生きてきた仲間を殺せと命じられるのです。
もし、殺しを断れば、自分たちが殺されることを双子は理解していたはずです。
自分たちが生きるために、仲間を殺す。
仲間を殺したから、明日を生きられる。
そんな毎日を過ごしていく中、人を殺した分だけ自分たちが長生きできるという概念が生まれます。
兄様は今まで沢山の人を殺したから、死ぬわけがない。
と歪んだ価値観をバラライカにぶつけたわけです。
しかし、最期を悟ったところで涙を流しますが、最後の最後に自分たちの価値観が間違っていたことに気づいたのかもしれません。
双子の秘密
ブラックラグーンに登場した双子の殺人鬼ヘンゼルとグレーテルにはいくつか不思議な点があります。
例えば、お互いを兄様、姉様と呼ぶこと。これは、どちらかが弟と妹になるはずですよね。
また、今回紹介した名言でも、「私たちは永遠(ネバーダイ)さ。そう永遠(ネバーダイ)なのよ」と兄様の口調と姉様の口調が混じっています。
この問題のヒントは、姉様とロックが船室で話をしているところにあります。
姉様がカツラを取ると、「僕はちゃんとここにいる。いつだって、姉さまと一緒にいるんだ」と兄様としての発言をしています。
このことから、姉様と兄様のそれぞれの体の中には、姉様と兄様の両方の精神が入っていること、服装を変えることで姉様と兄様が入れ替わることが示唆されています。
(二人とも兄様の格好をしたら、二人で兄様になるかは不明。多分、ならないとは思います)