いちばんはじめに、きみに出会って…きみの…脳を奪わなくてよかったよ…:寄生獣

寄生獣読者なら、涙不可避!ミギ―が語る名言

脳を奪わなくてよかった
寄生獣第58話「ミギ―」より引用

読者の涙を誘ったミギ―の名言

主人公泉新一は最強のパラサイト後藤と戦うことになります。

後藤の不意を突く作戦に失敗したミギーは、後藤の攻撃を防ぎながら「二人とも死ぬことはない!!早く行け!!」と新一に逃げろと促します。

逡巡しながらも新一はミギーの言うとおりにし、その場から逃げます。

ミギーは新一を助けるために自ら犠牲になったのです。

逃げる新一の後ろ姿を見ながらミギーは思います。

「さようならシンイチ…これで…お別れだ…」
『シンイチ…いちばんはじめに、きみに出会って...きみの...脳を奪わなくてよかったよ...』
「おかげで友だちとして…いろいろな楽しい…思い出を…」

ここで涙しない読者はいなかったのではないでしょうか?

情を持たないはずのパラサイトであるミギーが新一との別れを惜しんでいます。

そして驚くべきところは「脳を奪わなくて良かった」という言葉です。

第2話「野獣」にてミギーは「わたしの一番古い記憶は「脳を奪えなくて残念」という気持ちだ」と話しています。

今回のミギーの言葉とは正反対のセリフです。

ミギーに芽生えていた「情」、そして「献身」

このミギーの変化の理由で考えられることは「新一からの影響」ではないでしょうか?

同じパラサイト田村玲子が死を選んだ理由は自分の赤ん坊からの影響により母親としての情、「母性」に目覚めたからだと考えられます。

ミギーと「混ざった」影響で新一が変わっていったと思われていますが、ミギーの思考の影響もあったのではないでしょうか?

そしてそれはミギーにもありえることです。

ミギーも新一との生活の中で人の気持ちを学習し「情」が芽生えたと考えてもおかしくありません。

田村玲子の「母性」と同じようにミギーにも感情が芽生え、特に理解できないものと言っていた「献身」を実行したのです。

「献身」については第10話「こだわり」でミギーはこう言っています。

「つまり自分にとって損でも他人のために何かをする…わたしにはさっぱりわからん」

「献身」という行為はパラサイトのミギーにとって最も理解できないことでした。

そのミギーが命を捨てて新一を助けている。
新一がミギーから影響を受けていたように、ミギーも新一から影響を受けていたのでしょう。

今回の名言は涙なしでは読めない名シーンから生まれた素晴らしい名言でした。

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